「新ロ研」の目的

新世代ロボット研究会立ち上げにあたって

 新世代ロボット研究会立ち上げにあたり、我々が目指すべき新世代のロボットの姿を明確にするために、名古屋工業大学大学院梅崎教授に面談をさせて頂き、お話しをうかがいました。

 梅崎教授は音声・画像情報処理がご専門で、多くの企業と共同開発を行ったり技術提供をされており、指紋認証システム・ナンバープレート認識システム・3次元画像解析による検査システム等、多くのものが既に実用化されています。

 その中でも我々が特に注目したのが検査システムで、画像解析技術により、カメラで撮影した画像から数ミクロンの精度で測定を行うことが可能になっており、これまで一千万近くした3次元計測装置を数万円の市販カメラを用いて実現可能とのことでした。モノづくりの現場では多くの費用と人手を掛けて付加価値を生まない検査作業を行っているのが現状で、それでも不良を出してお客様に迷惑をお掛けしてしまうことがあります。大企業においては既に自動検査システムの実用化もされていますが、安価に導入できるようになれば中小企業においても導入が可能となり、品質向上・コスト削減に役立つことになります。

 また新世代のロボットについて梅崎教授にお話しをうかがったところ、「ロボットは知的な作業ができなければ意味がない」とおっしゃられ、事前にプログラムされた動作を忠実に再現するだけではなく、画像認識・音声認識・人工神経といった技術で人間の持つ高度な知能情報処理を行い、ロボットが瞬間を判断して自ら人とコミュニケーションすることが重要とのことでした。

 梅崎教授のお話も踏まえ、まずはものづくりの現場で人の手や目で行っている作業を、単純な繰り返し作業を行うロボットではなく、自ら判断して状況に応じて変化しながら作業が行えるロボットを目指していきたいと思います。またそれらの技術を応用して介護の補助が行えるようなロボット開発に関わり、社会貢献も目指していきます。

 今後新世代ロボット研究会では各社が持つ要素技術を融合して、ロボット開発メーカーや大学等と連携も模索しながら、新世代ロボットの研究や開発に合同で取り組んでいきたいと思います。

 
 
 新世代ロボットに期待すること 
株式会社鬼頭精器製作所

 当社の加工技術が、新世代ロボットに運用されることへの期待があります。加工を通して、社会貢献活動、地域貢献活動、福祉貢献活動を担っていきたいと考えます。

株式会社日成電機製作所

 不定形作業への対応実現のためのプログラミング・ティーチングの容易化。人間との協調動作のための安全性実現。省エネルギー、フリーメンテナンス性、低コスト化に期待します。

株式会社明和

 より複雑で精密な作業を、センサーを使って自分で測定して自動的に補正をかける等、自分で判断できる自立型ロボットの開発。

株式会社 光生

 人の生活を人工知能と繊細な動きでサポート出来るようなロボットに期待。

◆ニットー精器産業株式会社

 機械加工のロボット化・人間並みの反応、能力。

◆鈴木特殊鋼株式会社

 8社のトータルな技術力を駆使して、新たな需要の創造を期待します。

◆株式会社エーエスエム

 軽くて強い、人や環境に優しく、生活に溶け込めるロボット。

◆株式会社ITイノベーション

 これまで中小企業が支えてきた「モノづくり」の技術を新世代ロボットに活用し、日本の中小企業が元気になること。